停電とお知らせ

みなさんご存知かと思いますが、昨日サンディエゴ周辺のメキシコ・アリゾナを含む地域で大規模な停電がありました。

クラウドへ移行したこのブログは平気でしたが、専用サーバーで運営しているBOI AudioWorksのメインサイトは数時間サイトを停止しました。その間はアクセスできなくなり、ご迷惑をおかけいたしました。

すでに電気は数時間前に復旧しました。何事も無かったような青空の金曜日ですが、もしかしたら流通に影響が出ているかもしれません。 いつもより国際郵便の配達が1、2日遅れる可能性があります事ご了承ください。

ところで停電したおかげでテレビどころか街灯もつかない暗い夜をロウソクで過ごしたのですが、これがなかなか良い雰囲気でした。 この暗闇の中、真空管アンプでしっとりとした音楽を聞けたらなぁ、と考えていたりしましたが、これはさすがに無理があるようです。

真空管3Dモデル

グーグルは検索だけでなくいろんな事をやっているのですが、Google 3D Warehouseと言って世界中の人が3次元グラフィックモデルを作って共有するサイトをやっています。

ここへいろんな人がいろいろな物を3次元CGで作ってアップロードするようになり、定番のスーパーカーとかはもちろん、家具からコンピューターだのカメラだのオーディオだの身の回りのものが3次元CGで作られています。

ハンバーガーとか検索すると、そこそこ美味しそうな3DCGが出てきます。

ここでも真空管を見かけるようになりました。 300B, EL34, 12AX7まであります。 このEL34もマウスでまわす事ができます。

でも感じは良くつかんでるとは言え、できはちょっとイマイチかもしれません。ギターやオーディオアンプを3DCGで作った時に真空管もCGで作ってみた、という感じなので、そこまで細かく作り込んでないようです。

しかし思うに、ソケットやラグ板の部品も3Dデータを作っている人もいますし、これなら3DCGで実体配線図も作れちゃいますね。 細かいところに寄って見たり、回していろいろな方向から観察したりできると便利そうです。

ただ問題は本物を作るより手間がかかりそうですが。

 

本日はアメリカの労働の日で、祝日です。 メールのご返事、またご注文発送は明日からになります。

なお、アメリカで大手の真空管商社さんがしばらく引っ越し中のため、入荷が滞っている商品があります。 かなり大変な引っ越しだったようですが、今週にはようやく落ち着いて商品を出荷し始めるようです。

ご存知かと思いますが、アメリカは晩春に学年が終わり、2、3ヶ月の夏休みの後、9月から新学年がはじまります。

子供さんが学校へ戻り、ようやく自分の時間ができたアメリカのお父さん達が、(お祖父さんたちも?)オーディオに灯を入れ、ギターを手に取るようになる時期です。 これは日本でも同じかと思います。

まだまだ暑さは残りますが、真空管の灯の季節はもうすぐそこです。 これからが楽しくも忙しい時期です。

インフラ整備とTL;DR

ようやく雑記を運営しているサーバーの整備が終わりました。 なので9月より雑記はクラウドからお送りしております。

最新IT技術を駆使してレトロな話題を世界に送る。というのはなかなかロマンがあると悦にいっております。

真空管通販のwww.boiaudioworks.comのメインサイトは雑記サイトとは全く別なのですが、こちらは別に幾つかコンテンツやフォーマットのアップグレードを予定しております。これから真空管の灯が恋しくなる季節に向けていろいろと楽しみです。

ところで、雑記を書く際に一番気をつけている事があります。 それは記事の長さです。 好きな話題だとつい長く書いてしまうのですが、読み手にとって無用に長い文は読みにくいものです。

これは英語でも一緒で、ブログやemailなどで延々と長い文章が続いていると読みにくいです。 英語は文字の密度が低く同じ情報を伝えるのに日本語の数倍の文字が必要なのです。 なので長い英語はホントに長いです。

ごく時々なのですが掲示板やブログのこういう長い文章に、読み手側から「TL;DR」というコメントがついていることがあります。 “Too long, didn’t read” 、「長すぎて読まなかったよ」の略です。

そういうのを見ると雑記も簡潔でかつ面白く続けていかないと、と思いますが、これがなかなか難しい物です。 雑記はクラウド移行したし、持続的に更新するペースが定まってきたので次はTL;DRなんて思われないような内容をこころがけていかないと。

KT90とKT120

この雑記はアメリカにある自前のサーバーで運営していたのですが、日本からアクセスしやすいようにと昨今流行のクラウドへ移行しました。

(その際こんがらがっちゃって外から見えない古い方のサーバーの雑記を一生懸命更新していた。というのは内緒です)

見る側からは変わらないはずですが、なにか不都合があるかもしれません。 もしなにかみつかったらメールもしくはツィッター(@BOIAudioJP)にてご連絡いただければ幸いです。

さて、最近KT120の注文がよく入るようになってきました。発表されてからもう一年以上経ちますが、ようやく知名度があがってきたと言う事でしょうか。 このKT120はエレハモKT90EHをさらに大型化したようなものです。 KT90EHはKT88の上位なので、パワー的には KT88  < K90EH < KT120 になります。

KT90と言えばスイスの山の中にレコーディングスタジオを持つお客さんから、カスタムの真空管アンプにKT90EHを採用して好結果が出たと連絡をもらいました。

写真は10KHzで100Wフルスイング時の方形波だそうですが、これだけきれいに出せればもうKT90EHを極めたと言っても良いかもしれません。

パワー管は組立精度による不良が起きやすく、例えばスクリーングリッドの組み立て精度が悪いとプレートボックスが赤熱します。 同じKT90でもだいぶ昔、製造中止になったEi製のKT90、これは音質的には良い意味で光る球だったのですが、スクリーングリッドのアラインメントが悪いものが多く、これには泣かさたものです。

それに比べてエレハモKT90は不良率も低く、組立精度も良く、おどろきの高耐圧・高定格です。KT120はそのKT90EHのコンセプトをさらに押しすすめたものと考えてよく、一本あたりの出力が大きく取れるので同じ出力ならかえって部品点数も少なく済みます。

まだKT88などの差しかえが多いようですが、そのうちKT120本来の特性を極めたアンプが出て来るのが楽しみです。

真空管の雑音の違い

ノイズフロア

小型管からでるノイズもいろいろあります。 マイクロフォニックスといわれる振動系の雑音と、「サー」とでる信号系のノイズがあります。

あ、あと、ギターアンプの歪ませた音は人によっては雑音ととるようです。まぁあれはわざとですから別としましょう。

信号系のノイズレベルはかなり個体差があります。 写真は6N23Pという6DJ8互換の真空管のノイズを計測しているものです。 薄いのと明るいのとグラフが2つあり、薄いグラフは比較用で6922EHを低ノイズ選別したものです。

6N23Pはノイズが低いものはとても低いのですが、高いものもけっこうあります。この写真は中でも高く検査で落とされたものですが、ノイズが低い周波数に集中して盛り上がっています。

この雑音は聴くと「ゴー」とか「ザー」という音です。 そこそこ降っている雨音を屋内で聞く、あの感じです。 ノイズが高いと台風レベルになります。 バチッ、ゴゴゴとか他の音も混ざるし、雨音の強弱もあり台風接近中!の臨場感があります。 これは検査不良ですので出荷できません。

この雑音特性、生産工場によって特徴があり、この低域持ち上がりはヴォシュコード工場製によく見られます。 もっともこのままエージングを続けると高域のノイズもあがって来て偏りがなくなったりします。 通常ノイズが高い6DJ8/6922は最初から低域だけでなく高域もまんべんなく持ちあがったホワイトノイズが多いのですが。

この手のノイズはごく微量のガスが残っている事が原因なのですが、工場ごとに工程や材料が違うため、残るガスが違うということでしょうか。 これはゲッタで吸収されるものなのでノイズは減って行くはずなのですが、そこは真空管の不思議さで、反抗してノイズが増えたりするのもいます。