トランス温度

そう言えば、とだいぶ前に故障して放っておいたギターアンプをなおしていました。このアンプ、大音量でかき鳴らしているとバリバリと雑音が入りヒューズが飛んでしまうのです。

オーディオ真空管アンプとギターアンプの電源周りはけっこう違います。オーディオは電源がなるべく変動しないようにするわけですが、ギターアンプは電源変動は楽器のピークを吸収してくれたりと音色の内です。 著名なアンプでも出力段のバイアス電流次第でどんどんB電圧が変わったります。あちらを押せばこちらが下がり、とまぁはっきり言えばいい加減な動作なのですが、このいい加減さが音の良さなのです。

で、いい加減なギターアンプの電源ゆえにトランスを定格いっぱいで使う設計が普通にあります。 今治しているアンプも、ダミーロードに繋ぎガンガン鳴らしている状況を作ると電源トランスがすぐ40度を越す熱さになります。 びっくりものですが実は相当数の大出力ギターアンプが同じようになるのです。

これが普通だと言えばそうですが、定格を無視した設計はマージンが無い訳で、今回のように問題がある場合、無理に使い続けるとトランスから煙が出たり、ワックスが溶け出てきたり、最悪断線するので危険です。 煙を吐きながらも音はしっかり出るのですが、ヒューズが飛ぶからと大容量の物に変えたり、直結しちゃったりするのは厳禁です。

このアンプは年代モノで出力管のカップリングコンデンサーがリークしていました。大音量でならしているとグリッド電圧がおかしくなりヒューズが飛んでいたようです。 良くある問題でコンデンサー変更で解決しました。