もうすっかり9月ですね。 停電はすぐ復旧し、サンディエゴも涼しい日が増えてきました。
アメリカ国内のお客さんで、「緊急に今すぐ真空管が必要だ、助けて!」と言う方がいらっしゃいます。 Eメールの連絡だと、ビートルズの歌さながらに “Help!” というタイトルで来るのですぐわかります。
たいていはミュージシャンの方で、ツアー中に真空管の換えが必要になるケースです。アメリカの都市を幾つかまわるだけでもかなりの距離の移動になり、その間いろいろな不都合が起きてしまうようです。
ローディーや機材のリペアマンが同行するのはごくごく一部の大型ツアーだけなので、たいていはミュージシャン本人からの連絡です。せっぱ詰まって、次のステージに間に合うように送ってくれー!という悲壮なSOSのコールなのです。
金曜日は中西部のレコーディングスタジオからの大至急オーダーがありました。 機材に使う6922が月曜の昼の録音セッションまでにどうしても必要だとの事。 レコーディングスタジオは、場所と機材と人を提供して料金をもらう訳ですが、機材がまともに動いていないと料金がもらえないだけでなく、スタジオビジネスの評判にも関わってくるので、深刻です。
このスタジオから連絡があったのが金曜日の午後4時。エキスプレス発送の締め切りは午後5時。大至急で検品し、発送に持って行ってなんとか間に合いました。
こういった急ぎの注文は額も少ない事が多く、こちらから長距離電話をかけて確認したり、飛び入りが入った分さらに残業してもらったりと、コストがかさむので、利益はまずありません。
それでも急ぎのオーダーは受けて立つようにしています。これは私たちは真空管機材にこだわるミュージシャンの方々と同じスタンスだから、という理由です。
とは言っても、みなさんちゃんとスペアを持ってツアーしてくださればお互いこんなに焦らなくて済むのですが。