デカトロン・コンピューター

皆様お久しぶりです。 冬ですね。真空管の季節ですね。 不思議なものでこの時期は真空管アンプが恋しくてたまらなくなります。 アメリカはこの時期は帰省して家族と一緒に過ごす季節なのですが真空管のオーダーがとても増える時期でもあります。

ところで最近WIREDに出ていたニュースですが、イギリスでデカトロン計数管を使用したコンピューターがレストアされ公開されました。なんと実働する世界最古のコンピューターなんだそうです。

デカトロンというのはプレートが共通でカソードがいくつもありガスが封入されています。 カソードの近くに電極があってこの電極にパルス電圧を加えると各カソードがプレートと順番に導通するので計数できるというわけです。 まぁロータリースイッチの真空管版みたいなものですね。 

5963などを組み合わせたカウンター回路は真空管コンピューターに多用されましたが、それなりの大きさになります。デカトロンはもっと小型になるので良いというのがありますが、それよりなによりデカトロンはガス封入管なので導通しているカソードが光るのです。なので動作していると光がチカチカとします。 下記リンク先にデモンストレーションの動画がありますが、壁いっぱいの大きさでカタカタと音がしてチカチカと光るこの光景、子供の頃のSF漫画で幾度と無くみた光景そのもののような気がします。なんとも懐かしい気分になってしまいました。

デカトロン・コンピューター再起動

このデカトロンコンピューターは実際に数年間使用されたそうですが、こういった後世に継承されない一風変わった仕組みを積極的に活用するのはいかにもイギリス人らしいですね。 トライアンフ、MGやオリジナルのミニなど、古い英国車には現代車に無い面白い仕組みがたくさんありますが、それと通ずるものがあります。