最近の真空管の動向

皆様いかが御過ごしでしょうか。ゴールデンウィークも終わってもうすぐ夏ですね。

真空管の使用・販売量ではやはりアメリカ、日本がダントツだと思いますが、真空管市場の状況は最近はどうなってるのでしょう。ちょっとまとめてみました。

ギターアンプの真空管主流は不変

真空管の一番の市場はギターアンプだというのはご存知の方も多いかと思いますが、ギターアンプはどのメーカーも中級から上級製品はほとんど真空管アンプで、これは変わりません。 最近はデジタル処理のモデリングアンプもありますが、いかに上手に真空管アンプを真似ているかがセールスポイントなのでかえって真空管アンプのイメージを高める事に繋がっているようです。また大手のギターアンプメーカー以外にアメリカはガレージメーカーもやたらと多いのですがほぼ100パーセント真空管アンプなのです。

種類の多様化

近年ムラード、タンソル、ゴールド・ライオンなどのブランドがリバイバルされ、主流真空管 の選択がとても豊富になりました。ロシア・中国製の真空管に自分のブランドをつけて販売するRuby, Tube Amp Doctor等のリブランド商社もそれぞれ細かく仕様を変えた真空管を独自に提供するようになりました。 またスロバキアのJJもかなり力を入れて新製品を開発しています。 当店は主流真空管は多品種を揃えるようにしていますが、12AX7や6L6はそれぞれ十数品種もの在庫になります。また、KT90やKT120など高パワー管も少しずつ増えてきました。安価な物から上級品種まで選択の幅が広く、使う側にはとても良い状況になってきました。

品質の安定

真空管は空気を抜くから真空管なのですが、作り手が気を抜くのは不良品につながります。真空管は手作りなので、評判の良いメーカーの真空管でも品質にはけっこう上下があり、良いロットと悪いロットがあります。私どもは外国・特に日本のお客様もけっこう多いので品質や不良にはとても気を使いますが、ロット全体に問題があると選別してもどうにもなりません。幸いな事にこの上下が最近かなり減りました。中でもゴールドライオン品はとても丁寧に作ってあり、高品質を継続して維持していますが、大手のアンプメーカーがOEM採用するソブテック、Sロゴスベトラーナやエレハモ品は品質管理がきちんとされているようです。

という事で、アメリカで真空管はまだまだ熱く続いているもようです。