真空管の雑音の違い

ノイズフロア

小型管からでるノイズもいろいろあります。 マイクロフォニックスといわれる振動系の雑音と、「サー」とでる信号系のノイズがあります。

あ、あと、ギターアンプの歪ませた音は人によっては雑音ととるようです。まぁあれはわざとですから別としましょう。

信号系のノイズレベルはかなり個体差があります。 写真は6N23Pという6DJ8互換の真空管のノイズを計測しているものです。 薄いのと明るいのとグラフが2つあり、薄いグラフは比較用で6922EHを低ノイズ選別したものです。

6N23Pはノイズが低いものはとても低いのですが、高いものもけっこうあります。この写真は中でも高く検査で落とされたものですが、ノイズが低い周波数に集中して盛り上がっています。

この雑音は聴くと「ゴー」とか「ザー」という音です。 そこそこ降っている雨音を屋内で聞く、あの感じです。 ノイズが高いと台風レベルになります。 バチッ、ゴゴゴとか他の音も混ざるし、雨音の強弱もあり台風接近中!の臨場感があります。 これは検査不良ですので出荷できません。

この雑音特性、生産工場によって特徴があり、この低域持ち上がりはヴォシュコード工場製によく見られます。 もっともこのままエージングを続けると高域のノイズもあがって来て偏りがなくなったりします。 通常ノイズが高い6DJ8/6922は最初から低域だけでなく高域もまんべんなく持ちあがったホワイトノイズが多いのですが。

この手のノイズはごく微量のガスが残っている事が原因なのですが、工場ごとに工程や材料が違うため、残るガスが違うということでしょうか。 これはゲッタで吸収されるものなのでノイズは減って行くはずなのですが、そこは真空管の不思議さで、反抗してノイズが増えたりするのもいます。