TungSol KT120 レポート

タンソルKT120は6550・KT88と上位互換発表されてから1年経ってしまいましたが、New Sensor社がロシアで製造するTungSol KT120がかなり流通するようになってきました。

Audio Research (ARC)もKT120を使用したアンプを発表しましたが、ARCの以前のパワーアンプでも6550・KT88をKT120に差し替えできるとの事で、アップグレードするアメリカやヨーロッパのお客さんが良く注文されるようになりました。

いままで相当数を販売しての経験ですが、今のところ品質の問題などは全くありません。

同じサラトフの工場で製造されるGold Lion KT88などと比べてもKT120はかなり大きいカソードを使っており、これが高パワーを実現する訳です。 でもこのカソードが大きくなればなるほどいろいろな製造上の問題が出てくるものなので、KT120の歩留まりの良さには正直言ってちょっと驚いています。

KT88と交換して使ってみた方々の感想は、KT88にはない低域のしっかりさがあるというご意見が多いです。

なお、KT120は6550・KT88と互換とは言うものの、KT88と比べて外形は1〜2センチ高く、さらにフィラメント電流が一本100~300mAほど余分に必要なので、フィラメント電源に余裕が無いアンプにはお勧めできません。 もし6550・KT88と差し替えて使ってみる場合は、高さの確認、また電源に関してはアンプメーカーにご確認される事をお勧めします。