マイクロフォニックス (3)

で、実際にマイクロフォニックスってどんなものでしょう。

消しゴム付きの鉛筆でごく軽く真空管をたたくとスピーカーからコツコツという音がするのが普通です。(かなりのパルス出力がでますので強く叩いたり、高価なスピーカーを繋いだアンプなどでしないでください。) これがコーンコーンと鳴ったり、そのままフィードバックを起こしてブーとサイレンのように鳴りだすのが問題のマイクロフォニックスです。 フォノアンプやギターアンプの初段にはこういった真空管は使えません。 同じ真空管を低ゲイン回路、バッファ用途で使う場合にはあまり問題はありませんが。

不幸にしてマイクロフォニックスが出てしまった場合、シリコン製のOリングを真空管に付けると効果がある場合があります。これは共振重量を増加させて共鳴を減らすという考えで、効く時は効きますが、効かない場合もあります。 最初からの対処としては選別する事が一番です。

真空管の構造によってもマイクロフォニックスが出やすいのがあります。一般的に12AX7のような真空管は内部のプレートボックスが大きいものほど共鳴しやすいです。 幸いギターアンプの使用が前提の現行12AX7品はある程度のマイクロフォニックス処理がしてあるのでそれほど気にする必要はありません。 でも気になるなら選別する事をお勧めします(当社には選別サービスがあります)。

アンプの自作などの場合、真空管自体への振動伝達を考慮するのも効果的です。 プロ用の真空管マイクプリ等、開けてみるとソケットをゴムで浮かせて取り付けたりといろいろなノウハウがあるようです。