マイクロフォニックス(2)

マイクロフォニックスはいつ問題になるかというと、真空管を高ゲインで使う場合です。

一番良くある例はフォノアンプ、そして高ゲインなギターアンプです。 ギターアンプで大音量でならしていると共鳴フィードバックを起こす事がよくありますが、もともとマイクロフォニックな真空管を高ゲインアンプで使うと同じ理由でフィードバックを起こしてしまいます。

逆に気にしなくていいのは低ゲインの回路または真空管を使う場合です。 クリーントーン命のギタリストの方々によく相談を受けるのですが、初段の12AX7の代わりに5751や12AU7を使うワザがあり、こういう場合はマイクロフォニックスは気にする必要がありません。 オリジナルのツィードチャンプなんて12AX7一本に6V6シングルエンドの低ゲイン回路で、マイクロフォニックスは問題になりません。それでも全開にすれば耳栓が必要なのですが。

一時期コンシューマー向けのシンセやマイクプリに真空管をのせるのが流行りましたが、これもマイクロフォニックスは問題になりません。 真空管をバッファとして使うラインステージやCDプレーヤーも同じです。 それからパワーアンプの初段やドライバー段もゲインは高くなく問題になりません。 ヘッドフォンアンプも同じく問題になりません。

こうしてみるとマイクロフォニックスが問題になる状況というのはフォノアンプ・高ゲインアンプなどの場合に限られて来る事がわかります。